私にとって二回目の医療安全委員会が1月18日に開催されました。一回目ほど緊張せずに運営できて、ほっとしています。

今回新たに提案させていただいたのは、匿名でのインシデントレポート提出の許可です。

 

 

この提案の理由は、「本当に重要なインシデント・アクシデントが報告されていないのではないだろうか?」との懸念があったからです。インシデントレポートは患者さんへの影響の程度によってレベル分類されています。レベル 0 から5まで、3と4はa, b の二段階に細分され、合計8段階の分類です。そして、「3b 以上は、速やかに患者の安全を確保し、確実に所属長に報告」との注意書きがされています。12月分のレポートは119件だったのですが、うち 3a が40件でした。その一方、 3b 以上が一つもありませんでした。

 

私自身、重大な問題でインシデントレポートを書こうとしたとき、患者氏名を記載することが躊躇されました。医局からのインシデントレポートが少ないことが、従前から問題とされてきましたが、医師のインシデントが少ないわけではありません。むしろ、どの職種より多くのインシデントを発生させていると私は思います。そして、その影響は軽くはないはずです。

 

医療安全で大事なことは、「隠れたがる失敗情報をいかにあぶりだすか」だと思っています。皆さんの、ご協力をお願いします。

本日のNHKニュースです。

 

産業医科大学病院によりますと、去年11月、看護師が入院患者 の点滴の管に生理食塩水が入った容器をつないだところ生理食塩水が管の中にうまく 入らず、取り外してナースステーションに置いていました。その後、別の看護師が使 用前のものと勘違いして、60代の女性患者に使ったということです。病院によりますと、いったん点滴の管につないだ注射液などは感染を防ぐためほかの 患者には使わず、廃棄することになっています。女性患者に健康 被害は確認されていないということです。 

 

 

ニュースからの情報だけでは詳細が不明ですが、おそらく、複数の失敗が重なり合った結果、このようなことになったのであろうと推測されます。産業医大病院が再発防止のためどのような仕組みを構築したのかが知りたいところです。

 

私たちのところでもこのようなことが発生しないか、業務手順を見直してみましょう。

 

一昨日(12月20日)のニュースです。

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/

 

肝細胞がんの手術を受けた際に横隔膜を傷つけられ、石川県津幡町の七十代の男性が出血死したとして男性の遺族が十九日、金沢医科大病院(同県内灘町)を運営する金沢医科大に慰謝料など約四千万円を求め、金沢地裁に提訴した。男性の死亡は、診療中の予期せぬ死亡事故を調べる国の「医療事故調査制度」の対象となり、病院と第三者機関が院内を調査。今年六月に出た調査報告書では、医師間の連携が取られなかったために出血の発見が遅れたことが指摘され、遺族にも報告された。

 

 

 

そもそも、医療事故調査制度は、医療事故の原因を分析し、医療の安全を確保することが目的です。そのために大切なことが、非懲罰性・秘匿性です。医療安全には失敗からの学習が必須であり、インシデントレポートはそのためのものです。この制度が当事者の責任追及のために使われるとなると、十分な情報収集が不可能になります。日本国憲法第38条にも「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」とあります。

 

医師の交流サイト m3.com の投稿欄には、「医療事故調査制度とは結局このように使われるのですね。弁護士にとっては実に安価に立派な鑑定書が入手できることになります。」との意見がありました。

 

今回の訴訟をきっかけに、医療事故調査制度が暗礁に乗り上げてしまうのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

本日の医療安全委員会は私にとっての初めての会議になりました。新参者なのに会議の進行役を任されていたので、ちょっと緊張していました。

 

 

今回、インシデントレポートの電子化を提案させていただきました。これまで、紙に手書きのレポートでしたが、Microsoft Access を使った、情報整理システムを作成中です。報告者に直接 PC にレポートを入力していただく形にしたいと思います。ただ、残念なことに、現在病棟に配置されている古いパソコンではプログラムを稼働させることができません。Microsoft が Windows XP 以前のOS のサポートを終了しているためです。医療安全管理を合理化するために PC の更新を要求していきます。

日本医学放射線学会などから注意喚起がされています。

 

最近の植込み型ペースメーカーは条件付きでMRI 検査が可能なものになっていますが、あくまで条件付きというところに注意が必要ということです。

 

 

MRI 非対応のペースメーカを装着した患者さんに対して MRI 検査が計画されたり、実施されようとされたという報告が増加しているようです。欧米では死亡事故も発生しています。

 

MRI 対応ペースメーカーでも手順をしっかり確認し、順守してください。